①リンクはご自由にどうぞ。
②検査データ・資料ファイルの無断転載、使用はご遠慮願います。データ引用の際は悪用防止の為、メールフォームからの連絡をお願い致します。
小出氏: 「埼玉県の子どもの尿からもセシウムが検出されたという報告を聞きました。大変心の痛む事態ではありますが、もし測定をすれば、量の少ない多いは別として、日本中の子どもたちの尿の中に福島から来たセシウムが検出されてもまったく不思議ではありません。」
ドイツ通信社の取材を受け、スペインのメディア、アメリカのThe Bellingham Herald、The Sacramento Bee、The Lexington Heraldに記事が載りました。
記事を書いていただいた神林毅彦氏に訳していただきました。私について書かれている部分を抜粋致します。
【FEATURE: Radiation in food, drink sets off alarms for Japan parents 食品や飲料品に含まれる放射能は日本の親に警鐘を鳴らしている】神林毅彦
最近、一人の母親が独自に研究機関に依頼した検査によると、学校給食で提供されている牛乳から微量のセシウムが検出されたと彼女のブログで報告された。
検査代を支払ったのはマリコという母親 (彼女は実名を使わないよう頼んできた)で、その検査によると、牛乳1リットルあたり3.2ベクレルのセシウムが検出された。日本政府の規制値は200ベクレルであるが、厳しい批判のなか政府は4月から200ベクレルから50ベクレルに引き下げる予定だ。
「これが現実です。これくらいは汚染されているものを子どもたちは飲んでいるのだと…。」と彼女はブログに記している。
マリコは東京電力福島第一原子力発電所から南西220キロメートルの川口市に住んでいる。
この原子力発電所は、1986年のチェルノブイリ事故以来、世界最悪となった1年前の原発事故で大量の放射性物質を大気中に放出した。
行政も牛乳生産会社も精密測定(検出限界を下げた測定)を行う様子がなかったので、彼女が自身で分析センターに依頼したという。
測定の結果は政府の規制値以下であるが、マリコのような多くの親は原発事故により大量に放出された放射性物質が自分たちの子どもにどのような影響を及ぼすのか懸念を抱いている。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章は、放射線は免疫システムを弱め、例えば、発癌リスクを高めるなど、何年も先に問題が生じる可能性があると指摘する(放射線晩発性障害)。
福島第一原子力発電所は3月11日の地震と津波に見舞われ、大量の放射性物質を放出、6基の原子炉のうち3基でメルトダウンが起きた。
健康に及ぼす影響を警告した専門家もいたが、当時の菅直人首相の官房長官であった枝野幸夫は、放射能の値は「ただちに人体に影響を及ぼさない」と繰り返した。
「何を言っているのか、まったく分かりませんでした」とマリコは振り返る。
しかし、その後まもなく、高いレベルの放射能汚染が野菜、生乳、魚、米、茶葉、肉などから一部の地域で見つかり、政府はそれらの出荷停止を行った。
親は子どもが何を飲むか、食べるか、また、遊び場所や遠足の行き先などに関しても不安を抱いたままだ。
「多くの親はストレスを感じていたと思います。話を聞くことができる人がほとんどいませんでしたから。」
なかには、そんな親の不安を心配のしすぎだと見くびる行政の職員や医者がいたと振り返る親も少なくない。
しかし、警鐘を鳴らす専門家もいる。やはり、免疫力の低下が懸念されるところだと彼らは言う。
「例えば、風邪をひくと、なかなか治らないということになるでしょう。また、複数の病気を抱えてしまう。これらの点はチェルノブイリ事故の被害者のデータからも明らかです。」と『食卓にあがった放射能』の著者で原子力資料情報室の渡辺美紀子は言う。
7月には、マリコと夫は10歳の娘の尿検査を研究機関で行っていた。
「検査の結果がファクスで送られてきたのですが、その結果を見てショックで、指先が冷たくなってしまいました。」とマリコは言う。
測定の結果、尿1リットルあたりセシウム134が0.25ベクレル、セシウム137が0.41ベクレル検出された。
検出された数値は微量と思われるだろうが、その被ばくが続くことにより、幼い子どもにどのような影響をもたらすのか誰が分かるのだろうか。また、誰が子どもたちを守ってくれるのかとマリコは問う。
彼らは、学校給食を食べなかった夏休み後に再び尿検査を行った。今回は、セシウム137が半減した。
夫はその結果を持って、行政に学校給食の放射能検査を要求した。すると、行政側も彼らの要求に応じるようになった。
Copyright (C) usakawai.cloud-line.com All Rights Reserved.